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売るタイミングと長期投資のメリット

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【資産運用】コア・サテライトの考え方を解説!見落としがちな投資と投機の違いとは

投資という言葉を聞いたとき、どのようなイメージを持たれるでしょうか。「大損をするリスクがあるから怖い」「自分で銘柄を選んで売買のタイミングを決めるのは、専門知識がないとむずかしい」、そのような印象を持っている方も多いかもしれません。 【イラストでカンタン】分散投資の方法を学ぶ!(出典:金融庁) しかし、いま挙げたような特徴を持つのは、「投資」ではなく「投機」に近いといえます。投機とは、短期的な値動きを予測し、その予測に基づいて売買を繰り返すことで利益を得ようとする方法です。 長期の資産形成においては、短期的な相場の動きを気にせず、長く持ち続ける投資の方法を選ぶことがおすすめです。今回は、「コア」と「サテライト」という言葉を使って、長期投資を実践するための考え方をお伝えします。

【資産運用】コアとサテライトとは

コア(中核)とは、広く分散して投資し、10年以上の長い期間をかけて、じっくりと資産を増やす方法です。一方のサテライト(衛星)は、個別の銘柄に集中して、短期間のリターンを狙う方法です。それぞれの特徴を以下に示します。 コアの資産運用 ・運用期間は長期(10年以上) ・持ち続ける(売却しない) ・運用対象は幅広く分散する サテライトの資産運用 ・運用期間は短期(1年未満) ・タイミング重視で売買を行なう ・運用対象は1か所に集中する 長期保有を前提とするコアは「投資」、タイミング重視で短期売買を行うサテライトは「投機」に当たります。どちらがよいということではなく、両者の違いを理解したうえで、資産運用に取り組んでいただきたいと思います。

資産運用、まずサテライトから始めてもよい?

コアとサテライトの違いを理解していただいたうえで、投資初心者はどちらから始めればよいのか、ご説明します。 私は年間約300回、資産運用のオンラインセミナーで講師を務めていますが、これから投資を始めたいという方から、「まずはサテライトの運用で資産を増やして、余裕ができたらコアの運用を始めたい」というご意見を頂くことがあります。 しかし、これはおすすめできません。私は、資産運用の土台となるのはコアであり、サテライトは時間とお金に余裕がある方だけが行なえばよいと考えています。老後の資産を築ける可能性が高いのは、コアの運用です。 なぜかというと、相場の動きを予測しながらリターンを狙い続けるサテライトで、長期的に資産を増やしていくのは非常にむずかしいからです。 相場の動きは気にせず、長期的に積み立てながら分散投資を行っていけば、世界経済全体の成長に応じてリターンを得られる可能性が高まります。 長期的に保有し続けることで、相場の上下を気にして売買のタイミングを常に探るような、時間的・精神的負担を避けることもできます。

ドル・コスト平均法の特徴とメリット・デメリット

ドル・コスト平均法の場合、毎月など定期的に定額を購入するので、いったんその設定をしてしまえば、あとはほったらかしにすることができます。また、相場に関わらず購入額が固定されるため、 基準価額が高いときには購入口数が少なく、基準価額が低いときには購入口数が多くなります 売るタイミングと長期投資のメリット 。仮に基準価額が下がっても、「たくさん買えた」と考えることができるので、毎日相場をチェックして一喜一憂する必要がありません。また、相場を読み違えて高値掴みをしてしまうといったことも避けられます。

下の図は、投資信託をドル・コスト平均法で毎月同じ日に30,000円ずつ購入した場合と、毎月3口を定量購入した場合を比較した例です。 ドル・コスト平均法で積み立てたほうは、合計で16口購入でき、平均購入単価が9,375円、それに対して定量購入では、15口購入できて平均購入単価は11,000円です。 つまり、 ドル・コスト平均法のほうが1口多く購入できたうえに、平均購入単価は安く済んでいる ことがわかります。

■ドル・コスト平均法

  • 定額・定期購入なので手間がかからない
  • 高値掴みを避けられる
  • 相場の動向に一喜一憂しなくていい
  • 平均購入単価を下げる効果がある

3. ドル・コスト平均法のデメリット

まず、毎月など定期的に定額購入するという購入頻度の高さにより、手数料がかさむことがあること。
例えば、株式手数料は、通常1度の取引額が小さいと手数料率が高い傾向があるため、少額ずつ高頻度で買い付けをするとトータルの手数料が割高になる場合があります。
一方、投資信託であれば購入時手数料は購入額の大小にかかわらず購入金額の1~3%程度かかるのが一般的です。手数料のデメリットはそれほど気にしなくてよいでしょう。さらに、ノーロード(購入手数料が無料)の投資信託もありますので、それらを選ぶと購入手数料は不要です。ちなみに、「つみたてNISA」であれば、すべての商品の購入時手数料が無料です。

次に、「損をしない訳ではない」ということ。メリットのところで平均購入単価を下げられるという話をしました。それは損をしにくいということにつながりますが、損失が出る確率は当然0ではありません。長期的に 価格の下落が続けば、購入口数は増えても結果的には損失が出ます 。元本保証では決してないので、売るタイミングによって損をすることがあることを理解する必要があります。ただし、かのリーマン・ショックでも、5年後には暴落前の水準に持ち直しています。つまり、下落が続いたとしてもその時を耐えることができれば、利益を得られる可能性は高まるというわけです。下落時にも慌てず、価格が上昇する機会を待てる心、資金、時間の余裕が必要になります。

また、ドル・コスト平均法は短期間で大きな儲けを出す手法ではありません。安値になったときに大量に買うなどのコントロールもできません。長期投資を前提として定額を定期購入するという仕組みは投資初心者にはメリットですが、 短期間で大きな儲けを狙いたい人には不向き といえます。

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